ベスト DIY 2022

created at: 2022-12-14 00:00:00 +0000

この記事は2022 Advent Calendar 202214日目の記事です。 こんにちは。あそなすです。2022年にやったDIYの話をします。

DIYとは

DIY(ディー・アイ・ワイ)とは、素人(専門業者でない人)が、何かを自分で作ったり修繕したりすること[1]。英語のDo It Yourself(ドゥ イット ユアセルフ)の略語で、「自分でやれ」の意。「D.I.Y.」とも。

https://ja.wikipedia.org/wiki/DIY より

とのことです。

DIYとasonasと

元々祖父が日曜大工の権化みたいな人で30年ぐらい前に立てた新築の家をモリモリ改造していく人で庭に井戸を掘ったり、寒くなったら壁を剥がして断熱材に差し替えたり、部屋を増築したりとかやっていてガレージには各種工具があり木材があり作りかけの家具や資材が転がっていました。

そこで墨引きやのこぎりなどを手伝っていたこともおぼろげに覚えていて、幼心ながらかなりものづくりが好きだったような気はします。

ご多分に漏れず今でもちまちまとDIYはしていて、2022になっても素人の自分がいくつかのものをつくったのでそれの紹介します。

Choco 60(2台目)

Choco60とは recompile keys さんが設計した60%の分割キーボードです。ソフトウェアエンジニアであれば慣れしたんでいるキーボードの配列を参考に設計されています。

https://keys.recompile.net/projects/choco60-rev2/ https://keys.recompile.net/projects/choco60/

現在販売されているChoco60はrev.2で僕が最初に買った時はrev.1でした。大きな違いとしては電子パーツが実装済みになっておりProMicroやダイオードなどを自分で半田付けしなくてよい点でしょうか。

僕はChoco60のrev.1を会社に置いて、rev.2を自宅で使っています。ただ常用しているというよりかは気分によって使い分けています。 同じキーボードを2種類つくるとオフィスと自宅でより良い打鍵体験が堪能できます。

KBD8X MKIIを(2台)つくった

rev.2のパーツは下記の通りです。

それ以外は付属しているパーツを使いました。 スイッチ、潤滑油、キーキャップ、スタビライザーについてはよく知られているものを利用しています。入手性もよく、他人のビルド記を読んでもよく見るものではないでしょうか。

翻って、自作ケーブルなんですが、これは、うーん、やはり慣れが必要で既製品のものと比べるとできはよくないです。シーリングむずかしい...。

まぁ、何事も経験なので良しとします。

次にAnodized CNC Aluminum Feetなんですが、これはかなりベストなチョイスです。特にHHKBのような傾斜がついているキーボードが好きな人だとこの足を付けるだけでHHKBぽい傾斜がつくのでより捗ります。

特に自分の場合はパームレストを使っていて、なるべく手のひらとキースイッチの高さを揃えたいので奥側の高さが少し持ち上がるので打鍵がよりしやすくなっています。

ただ、Choco60をパームレストと一緒に使っていると問題があります。通常の場合であれば、Choco60のアクリルのプレートとパームレストは面一になっています。この状態で件の足を付けてしまうと、手前側も斜めになってしまってプレートとパームレストが面一にならず、キーキャップを押下した際に干渉していまします。

これを解消するために、0.2mmのプラ板を両面テープで貼り付けることで解消しました。

無くても問題は無いんですが、地味なストレスになるのでこういう改善のサイクルを施せるのもまた自作キーボードのいいところではないでしょうか。

MODE EIGHTY

これも自作キーボード。MODEはアルミケースのキーボードをいくつか出しておりどれも品質が良く価格がそこまで高くない(重要!)ので気軽にアルミケースのキーボードを堪能することができます。

https://modedesigns.com/products/eighty

これは本当に組み立てるだけなのでDIY要素はあんまりないのですが、鉛シートを貼ったり、(ホットスワップじゃないのに)キースイッチをタクタイル(HolyPanda)からリニア(Sakurio)に変えた(その後HolyPandaに戻した)りと味変を楽しむキーボードでした。どのDIYの行程も写真が残っていないのですが、分解もしやすく簡単に味変カスタムを堪能できました。

棚1

木材を使った棚や机のDIYの様子は過去の記事を参照してもらうとよいかな。

子供が生まれたのもあって2020年に引っ越しをして3LDKになりました。北側に妻子が寝る部屋になっている少し広めの寝室、その部屋に接する形で僕の仕事部屋兼寝室の部屋、キッチンを挟んで南側にダイニングとつながっている部屋です。この南側の部屋は主に妻の裁縫の道具、生地、ミシンや180cmx90cmの元ダイニングテーブル現作業台や僕の工具、本棚、アルミラックに裁縫や梱包資材、救急箱などがおかれている部屋で物置のようなDIY部屋のような雑多な感じです。

オフィスが転居する際にもらった安楽椅子なんかもあって、本を読んだりゆったりできる部屋なのですが、人が常駐しないということもあってエアコンの設置はしておらず真夏や真冬はやや過ごしにくい環境ではあります。子がもう少し大きくなってきたらここを簡単な子供部屋にしようとは思っています。

突然なんですが、うなすけくんという友人をモデルにしたうなすけファンブックと呼ばれるの同人誌(C101に向けてつくってました。なんと2冊目)つくることになりコンテンツとしてうなすけくんを撮影する必要がありキャンプをすることになりました。そこでいくつかのキャンプギアを買う必要があったりしてこの部屋の荷物を整理する必要がありました。

それもあって収納をどうしようかと思ったりしたのですが、妻とも相談していっそのこと巨大な物置スペースをつくるかとなりました。

図面をざっくり弾いて構造を決めます。棚板を複数用意するというよりかは、高床ぽい感じの棚にします。材料は自分の扱いが慣れてるのを使います。天面の板は20mmの合板で足は2x4でいくことにしました。

ざっくりほしいサイズがわかればあとはホームセンターに行って店員さんにお願いするとカットしてくれます。ここにもコツはあって、はじめての時はとにかく最初はよくわからないと思うので自分のつくりたいものを説明するのがよいです。あくまでもつくりたいものを伝えるのが重要です。店員さんはすごく優しいので臆せずに話かけるとよいです。何かをDIYをしたい時って基本的には内的動機付けが自分の中で完成しているので、かなり話やすい状態になっているはず。

注意したいのは、(自分もハマったことあるのですが)いわゆるXY問題に陥って自分で考えた解法を店員さんに伝えてしまうケースがあります。この場合、実はもっとスマートな機材や道具があるかもしれないのに自分の解法に基づく商品が提案されてしまいかねません。そして何か不具合が起きる...。

荷物が乗ってない状態の完成の写真は撮って無くてつくってる最中の写真しかなかった...。

大まかにこんな感じ。二段ベッドぽい感じで床が出現した感じで、棚、というよりも物が置けるスペースが格段に広がった感じです。

棚2

先述の通り、自宅の自室は寝室と仕事部屋を兼ねてるのですが、5.1畳 しかなくかなり手狭です。 ウォークインクローゼットもあるのですが、服とかキーボードのパーツの箱とか各種おもちゃなどをしまっているのでかなりいっぱいです。ちなみにこのクローゼットにも壁美人とメッシュパネルで棚をつくってたりはしますが、今回は割愛します。

ざっくり自室の間取りを図示するとこのような感じで、ベッドとクローゼットの間に50cmx50cmほどの空間がありました。

ここはかねてよりデッドスペースとなっており、ベース立てかけてあったり、キーボードやガジェットの段ボール、通勤の鞄、自転車のホイールなどが鎮座している場所でした。ルンバを毎日かけていてもここにルンバが到達することはなく、奥の方で地味に埃がたまっていて荷物をどけて掃除をするのが億劫な状態でした。

そこで棚1をつくるきっかけからこのスペースにも棚をつくることにしました。

コンセプトは床にある荷物を棚に移すこと、床部分を高めにしてルンバが通れるようにするということで実践しました。

できたのはこちら

棚1はそれなりに計画立てて思った通りにできたのですが、棚2の方はかなり行き当たりばったりな勢いでメモ帳にはカットの図面と耐荷重の計算式、足の配置の仕方しかありませんでした...。たしか棚1の木材を買いに行く当日にぱっと書いた気がする。

制作途中の写真はコレなんですが、メモ帳に書いている足の配置とはすでに違っているのがいきあたりばったり感を醸し出しています。 置く側の2x4は元々Hueを取り付けるための突っ張り棒だったのを棚の足として再利用することにしました。意外とHueの光量は馬鹿にならないのでなるべくあるものはそのまま利用したかったのでした。

棚板はダボレールに乗せる形にしました。棚から荷物を出す時に滑らないか心配していましたがずれることもなく利用できています。棚としては、天面と底面の棚板を足でがっちり固定してその間にダボレールを張っているという感じです。

写真をよく見ると天面と底面の棚板が足と密着していなくて5mmほど隙間が空いています。これはダボレール分の幅を考慮せずに板をカットしたのが原因です。いきあたりばったり。

ソフトウェアの設計のときも一人で設計をしていると見落としがあり実装しているときに気がついたりしてしまうことがありますが、DIYの世界でもそういうことは起こりうるなぁというのは常々おもってます。DIYにおいてはTDDのような小さく作ってサイクルを回して完成を目指すというのができなくてこういう違いもなかなか面白いなと思う。

繰り返すのですが、内的動機を元に実践しているので、多少の失敗があっても萎えたりせずどうにかつじつまを合わせて完成に持って行けるだけの情熱があるというのはDIYに置いて重要だなぁと思うのでした。

ブログ

実はこのブログもDIYでやっていて、DIYの定義における

素人(専門業者でない人)が、何かを自分で作ったり修繕したりすること

の部分には当てはまらない(ソフトウェア開発で飯を食ってるので素人にはならない)のですが、せっかくなのでブログシステムのことにも触れておこうかなと思ってます。

あんまり深い感情的な意味合いはないのですが、ブログのプラットフォームに記事を投稿しているとそれがどのように利用されるのかはプラットフォームに依存してしまうので、見ず知らずに露出されてしまったり、コンテンツが改変、削除されてしまうようなことを考えてしまいます。特定のプラットフォームのことではなく、無料で使えているものには(いくら広告があっても)そういうリスクがつきまとうなという感触があります。もちろんメリットデメリットはそれぞれあるのでここでは特に述べませんが。

例えば、SlideShareというサービスがあって、一昔前までは勉強会などの登壇資料をアップロードする先といえば、というサービスでしたが、最近はスライドのと中に広告を挟むようになったり、無料会員だとスライドの閲覧に制限があったりと、かなり厳しい感情になったりしました。

SlideShare自体には大変お世話になったし、これからもサービスを続けて偉大な登壇資料をこれからもインターネット上から閲覧できるように維持してほしいので広告を挟むこと自体には異論はないです。ただ、一般のユーザーたちの反応から脱SlideShareからのSpeakerDeckへという流れもあり、それはフリーライドを続ける姿勢になっているのが気になってしまうのですよね。

SpeakerDeckだって、収益をあげるためにスライドの間に広告が入れる可能性だってあるし、何よりもSlideShareからSpeakerDeckに移動してしまうとURLが変わってしまう。これは本当にナンセンス。過去の記事にあるリンクが切れてしまう方が何倍も良くない。

と、いうような無料で使えているプラットフォームに依存してしまっているのを脱却したくまずは自分でブログシステムをつくってみたというかんじ。プロプラエタリ反対!みたいな姿勢ではなく、昔のインターネットみたいに、自分がコントロールできる世界に揺り戻ってみようかなというのに近い。あとRubyは書いていてたのしい。

Webサービス開発者として、サービスの持続を考えたり、無料でも使う価値やお金を払ってでも使う価値みたいなところはまだまだ思うことがあるのでこれは別途文章にしたいな。

ブログ自体は非常にシンプルで middleman で実装されていて、Amazon S3にデプロイされている。その前はRackアプリでHerokuで動かしていたんだけど、円安で利用料金の桁が変わってしまったのでシンプルにファイルをおいてそれを配信する仕組みに変えました。いちおうGitHubにコードはあるので興味があれば見てもらえれば。

https://github.com/asonas/ason.as

僕にとってのDIY、あるいはものづくりとは

すごく記事がながくなってしまった。

自分のものづくりを振り返ってみると手に届く範囲の不便を解消するためにやっているのだと思う。足りないキーを増やすために80%キーボードを使い、肩こり解消のために分割キーボードを使い、収納に困るから棚をつくったり、自由なブログがほしくなってつくったり。

昔、一緒に働いていた @sowawa が「ホームランは急には打てないので日々素振りをするんだ」ということを言っていて、自分もものづくりをする理由はそこに近い部分があるなと思っている。淡々と素振りすることも重要だけど、動機も必要でそれは内的である方が長続きするなぁと実感します。今の仕事でもうまいこと理屈づけてユーザーの不便を解決することに集中しているので、ここも地続きと言えそうかなぁ。ものづくりは楽しくありたい。

最後に、幼い自分にものづくりの楽しさを教えてくれた祖父に感謝してこの記事を終わります。ありがとうございました。

2022 Advent Calendar 2022 15日目は nagatafa さんです。 https://scrapbox.io/nagata/%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%AA%E3%83%962022